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2006年11月2日 エコビレッジシンポジウムKOBE2006

 夏から企画・調整を進めてきたエコビレッジのシンポジウム。東京での2日間の国際会議を皮切りに、全国4都市で開催されました。神戸での開催は平日の夕方という事もあり、集まっていただけるのかが心配でしたが、47名の方にお集まりいただき、スタッフ含め約60名の熱気が会場を包んでいました。

 最初は、パーマカルチャーセンタージャパンの設楽氏による、コミュニティーの話。エコビレッジのシンポジウムなのに、コミュニティーの話とは?と思われるかもしれませんが、エコビレッジを形成していく中で、最も重要なのがこのコミュニティーなのだそうです。コミュニティーの成り立ち・歴史などを振り返り、今後エコビレッジという考え方を取り入れながら、人が豊かに暮らしていくことの意味や可能性について講演していただきました。


最初の講演。エコビレッジをつくるのに重要なものとは。 パーマカルチャーセンタージャパン、事務局長 設楽清和氏
 


 2番手はマックス・リンデガー氏。パーマカルチャーの空間デザイナーであり、世界的に最も有名なパーマカルチャーのエコビレッジであるクリスタル・ウォーターズの設計者です。
 スイスに生まれ、農を志すもその国で実現する事の困難さに直面し、オーストラリアに渡り現在の活動に行き着くまでの経緯や、エコビレッジを形成するにあたって、重要な事についてお話いただきました。

 エコビレッジを創るにあたって重要な事、それは「会議」である。すなわちお互いの意思疎通、意識の共有が最も重要で、1日の大半を会議に費やす事も多いそうです。また、町の中にある「泉」を例に挙げ、人が集まり交流する場の必要性もあげていました。かつての泉には、人が集まり、出会い、交流が生まれていた。しかし、綺麗に整備された噴水では、残念ながら、泉のような交流は生まれなかった。その整備には、水を汲む、休憩をするベンチ、そんな発想はあっても、人が自然に交流するための”何か”を取り入れる事が出来なかったのではないかと。


パーマカルチャーのエコビレッジをデザインするということ クリスタルウォーターズ、マックスリンデガー氏



 最後はリズ・ウォーカー。イサカエコビレッジで暮らす彼女は、イサカの成り立ちやそこでの暮らしぶりについて話していただきました。
 エコビレッジというと、閉鎖的な空間を想像される方も多い方と思いますが、イサカでは近隣の大学との連携や周囲の街との流通など、積極的に外部との交流が行われているそうです。例えば農産物。マーケットでの販売だけでなく、生産者と消費者の提携によるCSA方式が採用され、消費者が生産物に対して前払いをする事で、生産者は安定を得る事が出来、天候不順などのリスクを共有しているそうです。

 また、エコビレッジのなかでは、コミュニティー活動も行われていて、例えば「男達のパイ料理」。これは、男性だけが集まり、女性の為にパイを焼き、女性をもてなす活動だそうです。
 イサカでは、建造物もエコロジカルな発想を多く取り入れ、電力・水の使用を抑え、断熱効果の高い素材を使用するなどの取り組みも多くされているそうです。



エコビレッジでの暮らしぶり、外部との交流について イサカエコビレッジ、リズウォーカー氏



 最後の質疑応答では、エコビレッジを多くの人に公開する事の苦労と喜びについては、「この考えを広めていくにはデモンストレーションが必要」「ただし、プライベートの確保は課題」であるとの言葉を頂き、日本では難しいことが多いとの問いかけには、「法は与えられたものではなく、つくるもの」という励ましをいただきました。

 また、イサカでの地域通貨の取り組みついても質問があり、エコビレッジの中で自分が何が出来、何がして欲しいかを明確にして交換する方式のため、自分の役割を確認できるという役割もあると言う事。ただ、忙しい人が多く、なかなか地域通貨を交換する時間や機会が無いのが現状だと言う事、そして、日本の某公共放送が撮影に来た時に、地域通貨のやり取りをする様子を、わざわざ作った事などを教えていただきました。

 「エコビレッジ活動を続けてきて、社会に対して誇りに思う事は」との問いには、最初は懐疑的に見ていた政府が、少しづつ理解を示してきたことは、自分達の大きな成果だと感じていると、お答えいただきました。

 2時間半という限られた時間でしたが、エコビレッジというものの考え方、可能性、そして既に取り組んでおられるか方の生き方に触れる事で、新しい発見をさせていただいた、素晴らしい機会になったと思っております。

 最後に、講演してくださった3名の方、通訳をしていただいた2名の方、そして、会場にお越しいただいた全ての方に感謝すると共に、ここから新しい歩みが生まれることを期待しています。


主催:特定非営利活動法人 天然主義
共催:パーマカルチャーセンタージャパン
協力:コミュニティーサポートセンター神戸